住宅ローン減税について
正式名称は「住宅借入金特別控除」です。「住宅ローン減税」「住宅ローン控除」と呼ばれたりもします。
住宅ローンの残高に応じ、所得税や住民税を免除するという制度です。
消費税が増税された2019年には、特例措置として期間を3年間(10年から13年へと)延長するなど、特例措置が実施されました。
2022年(令和4年)以降の住宅ローン減税はどう変わった?
住宅ローン減税の改正内容は以下の通りです。
- 控除率 1%→0.7%
- 控除期間 10年→10年〜13年
- 取得要件 3,000万円以下→2,000万円以下
- 借入限度額 ※下記のとおり
新築住宅
- 長期優良住宅・低炭素住宅(認定住宅)の場合
2022年~2023年:5,000万円(※年は入居年、以下同)
2024年~2025年:4,500万円 - ZEH水準省エネ住宅の場合
2022年~2023年:4,500万円
2024年~2025年:3,500万円 - 省エネ基準適合住宅の場合
2022年~2023年:4,000万円
2024年~2025年:3,000万円 - その他の住宅の場合
2022年~2023年:3,000万円
2024年~2025年:0円(2023年までに新築の建築確認がされている場合は2,000万円)
借入限度額(中古住宅)
- 長期優良住宅・低炭素住宅・ZEH水準省エネ住宅・省エネ基準適合住宅の場合
2022年~2025年:3,000万円 - その他の住宅の場合
2022年~2025年:2,000万円
【補足】
長期優良住宅…
長期にわたり良好な状態で使用するための措置が構造と設備に講じられた優良な住宅。所管行政庁に申請することで認定される。低炭素住宅…
二酸化炭素の排出を抑えるための対策が講じられた住宅。所管行政庁に申請することで認定される。ZEH水準省エネ住宅…
ZEH基準、つまり日本住宅性能表示基準の断熱等級5かつ一次エネ等級6の性能を有する住宅。なお、太陽光発電システムは必須ではない。省エネ基準適合住宅…
日本住宅性能表示基準の断熱等級4以上かつ一次エネ等級4以上の性能を有する住宅。
大きなポイントとしては、控除率が下がり、控除期間が延長されました。控除期間の延長については、消費税増税の措置でも同期間が実施されており、既に13年の控除期間が対象になっている人もいます。
住宅ローン減税が改正された理由
今回の改正は、住宅ローンにおける「逆ざや」状態を是正する目的もあります。改正前の制度では、住宅ローンの金利が控除率を下回ってしまうことも多く、利息の支払い以上に控除を受けられてしまうという減少が起きていました。
制度を利用する側としては、改悪されたように感じますが、本来の制度の目的を考えると妥当であると多くの専門家が意見しています。
また、借入限度額を住宅の種類に分けたことで、より環境に配慮した住宅が優遇されるようになりました。こちらは省エネやエコなどの時代背景に合わせた改正です。
控除額への影響・最大控除額は?
気になる具体的な控除額については、下記の通りです。
認定住宅とその他の住宅の控除額は、182万円の差があります。費用はかかりますが、住宅の性能を高くすることで、より多くの控除を受け取ることができるのも事実です。
しかし、これらはあくまでも最大値なので、所得額によっても変わってきます。自身の所得額と照らし合わせ、正確な金額を算出しておく必要があります。
【最大控除額】
- 認定住宅
5,000万円(借入限度額)×0.7%=35万円×13年=455万円 - ZEH水準省エネ住宅
4,500万円(借入限度額)×0.7%=31.5万円×13年=409.5万円 - 省エネ基準適合住宅
4,000万円(借入限度額)×0.7%=28万円×13年=364万円 - 新築その他の住宅
3,000万円(借入限度額)×0.7%=21万円×13年=273万円 - 中古認定・ZEH・省エネ住宅
3,000万円(借入限度額)×0.7%=21万円×13年=273万円 - 中古その他の住宅
2,000万円(借入限度額)×0.7%=14万円×13年=182万円
改正内容をよく理解し、最適な住宅を手に入れましょう
今回の改正では住宅の種別ごとに借入限度額が変わるため、最大限の控除を受ける場合は、環境に配慮した住宅を購入する必要があります。
しかし、重要なのは制度を最大限に活かすことではなく、自身が住む上で住宅に必要な性能かどうか、予算を超えていないかどうかです。生活面でも金銭面でも最適な住宅を手に入れることが最も大切です。
住宅ローン減税は改正されることも多いため、住宅の購入を検討する際には現状の制度や改正内容をよく理解しておきましょう。
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