様々な業種で「IT化」が定着する中、不動産業界は少し遅れをとっています。それは日本特有の問題でもあり、不動産業を営む私たちが解決しなければいけない課題でもあります。
ここ数年その流れを変えようとする動きも強まり、「不動産テック」という言葉が注目を浴びています。
今回は、不動産テックについて分かりやすく簡単に解説していきます。
不動産テックとは
不動産テックとは、「不動産」と「テクノロジー(Technology)」をかけ合わせた造語です。
現在の生活や価値観を根底から覆す「デジタル改革(DX)」がスウェーデンの教授により提唱され、数年前から世界的にもDX推進の流れが強まってきています。
このような流れがあり、日本でも「不動産業界」のデジタル化が支持されるようになりました。
下記は一般社団法人不動産テック協会が発表した最新版(第6版 2020年6月15日)の不動産テックカオスマップの一部です。
▼不動産テック カオスマップの一部
- 物件情報・メディア
- SUUMO
- at home
- LIFULL HOME’S
- マッチング
- 空き家ナビ
- おうちダイレクト
- 仲介業務支援
- オンライン売却
- CLOUDSIGN
- 内見予約くん
- 管理業務支援
- 工務店クラウドEX
- いえらぶCLOUD
- 現場情報共有クラウド
- 不動産情報
- ZENRIN
- イエシルコネクト
- AKIDAS
- 価格可視化・査定
- マンションnavi
- ふじたろう
- スモーラ
- リフォーム・リノベーション
- houzz
- リショップナビ
- リフォームの窓口
- loT
- home watch
- Robot Home
- Google Home
- VR・AR
- オンライン内見
- VR内見
- ROOV
- スペースシェアリング
- OYO LIFE
- we work
- スマート会議室
- ローン・保証
- smooth
- ARUHI
- MOGE CHECK
- クラウドファンディング
- Owner Book
- CRE
- FIT FUNDING
via:「最新版(第6版 2020年6月15日)不動産テックカオスマップ|一般社団法人不動産テック協会」
上記のカオスマップで一般の消費者がよく目にするサービスは「SUUMO」や「at home」などの物件情報サイトではないでしょうか?
今では当たり前ですが、物件検索や部屋の写真・動画を簡単に見ることができるのも「不動産テック」ならではです。
一昔前の物件探しではこのようなことは出来ませんでした…。
一方で、カオスマップには見慣れないサービス名も並んでいます。
不動産テックの定義は、それまでのアナログ的な方法や不透明だった情報をテクノロジーで解決しようとする仕組みを指します。
つまり、消費者が使いやすいデジタル環境だけではなく、管理者や仲介事業者等もその対象になるのです。見慣れないサービスは事業者が利用するものも含まれているためです。
不動産業界で「IT化」が遅れている理由
いずれにせよ、IT化が進み、環境が改善されることは良いことですね。効率も上がります。しかし、他業種とは異なり、不動産業界ではなかなかIT化が進みません。その理由は一体なぜなのでしょうか。
アナログすぎるルール
各業界でオンライン手続きが進んでいる中、不動産業界でもっともネックになっているのが「宅地建物取引業法」による重要事項の口頭と書面での説明です。
しかし、2017年から「IT重説」の運用が始まり、非対面での手続きも可能となりました。不動産屋によってはオンライン手続きが可能となっているケースも見受けられます。
ただし、上記はごく一部であり、実際は直接の来店を求められたり、そもそもオンライン手続きのサービスを導入していない店舗がほとんどです。
閉鎖的な物件情報
消費者が閲覧している物件情報には、元となるデータが存在します。これは不動産業者しか利用できないネットワークシステムであり、仲介業者はこのデータを元に自社HPや物件情報サイトに物件を掲載します。
この閉鎖的な環境が原因で、売り手と買い手が自由に取引できません(有利に動くケースもあります)。
また、仲介業者同士が同じ物件情報を言葉や写真を巧みに変え、掲載しているため、物件情報サイトを閲覧している消費者が混乱することもあります。
さらに、同業者が同じ物件を掲載していることから、差別化を図るために「おとり物件」が掲載されていることもあります。実際には契約することができない情報で消費者を釣り上げるのです。
小規模店舗への普及
街の不動産屋に行ったことがある人なら分かると思いますが、店舗内で働いているスタッフの人数は1〜5人程度です。実はこのような小規模店舗は8割以上であるというデータもあります。
大規模なチェーン店ではシステムの導入やマニュアル化・研修等をスピーディーに行えるかもしれませんが、小規模店舗ではコスト面・労力面ともに難しいところがあります。
それよりも、今まで同様に慣れた方法で解決したほうが良いという流れになってしまいます。
新しい価値の定着
上記の「小規模店舗への普及」でも述べたとおり、業界の大半を占める小規模店舗が「不動産テック」に賛同しない限り、IT化が浸透することはまず不可能でしょう。
さらに利用者(事業者・消費者)もアップデートを繰り返したデジタルサービスではなく、実験的なサービスであれば、利用することに躊躇してしまうかもしれません。
コロナ禍により電子マネーの利用率が徐々に上がってきたように、利用者へ新しい価値観を定着させていくことは簡単ではありません。
不動産テックの可能性・その先の未来は…
不動産テックとは何か、そして不動産業界のネガティブな現状をお伝えしてきました。
しかし、少しずつではありますが、業界内外で不動産テックを実験的に導入する動きも出てきています。その証拠がカオスマップのサービスの多さです。
今までの不動産売買は、商品が高額であるということもあり、信頼関係の上に成り立っていた商売でした。これからはAIやシステムが徐々に導入され、近い将来はスマートフォン一つで取引が完結したり、自動販売機のように物件が売買されることもあるかもしれません。
まだまだIT化が浸透するには時間が必要ですが、今後の不動産テックに期待しつつ、弊社でもその波に乗り遅れないように効率化を図っていきたいです。
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