注文住宅にすることで後悔してしまった人は少なくありません。
注文住宅は夢のマイホームを手に入れられるように見えますが、意外と多くの落とし穴があります。
この記事では、注文住宅にしたことで後悔した主な理由について解説します。
理想と現実が合わない!「建売っぽくなってしまった」「意外と普通になった」
注文住宅を選ぶ最大の魅力は、自分自身の好みやニーズに合わせて家を設計できる点にあります。
しかし、実際にはこの「自由度の高さ」が裏目に出ることが多く、期待していたような独自性や特色を出せずに、「建売住宅のような」出来上がりになってしまうケースが少なくありません。
なぜ「建売住宅のように」なるのか?
- 予算制限
注文住宅の設計段階で高くつく素材や設備を選ぶと、予算が逼迫してしまいます。その結果、一部の要素に妥協が必要となり、結局は建売住宅によく見られるような標準的な仕様に落ち着いてしまうことがあります。 - 設計の難しさ
自分だけの理想の家を形にするためには、高度な設計スキルが必要です。プロの設計士も最善を尽くしますが、それでもクライアントの期待を100%満たすことは容易ではありません。 - 施工とのギャップ
いくら素晴らしい設計ができたとしても、その設計を実現する施工が不十分であれば、期待外れの出来上がりになってしまいます。 - 一般的な解決策の選択
何か問題が発生した場合、一般的な(つまり建売住宅でよく見られるような)解決策が選ばれることが多いです。これが「建売住宅のようになってしまった」と感じる一因となります。
期待とギャップ
「期待ほどの住宅ができなかった」という感想は、前述のような点から生じます。
自分で選んだ素材、設備、設計にも関わらず、実際にはそのすべてがうまく噛み合わず、期待値と現実とのギャップが生まれるのです。
以上のような理由から、注文住宅が「建売住宅のようになってしまう」または「期待ほどの住宅ができなかった」と感じてしまう人が少なくありません。
このようなリスクを考慮に入れ、注文住宅を選ぶかどうかを慎重に決定する必要があります。
本当は費用が高い!初めての大きな出費に驚く
「価格を抑えることもできる」と考えがちな注文住宅ですが、実際には隠れたコストや思わぬ出費が多く、総額は予想以上に膨らむことが一般的です。
建売住宅の場合、最初から価格が明確に設定されているので、何にいくら使われるのかがはっきりしています。しかし、注文住宅は以下のような要素で費用が高くなることがあります。
初期設計費用
設計図を作成する際の費用は、総額の一部に過ぎませんが、それでもなかなかの額になることが多いです。
特に、複雑な設計や特別な要求がある場合、この段階での出費が増えます。
素材と設備
注文住宅の大きな魅力は、自分の好きな素材や設備を選べる点です。
しかし、高品質な素材や設備は高価であり、予算がどんどんと逼迫していく原因となります。
変更費用
建築途中での設計変更や追加、削除などが発生した場合、その都度追加料金がかかることがほとんどです。
これらの変更は思っている以上に高額になることが多く、費用が予想以上に増加する主な要因となります。
施工費用の上昇
当初の見積もりよりも実際の施工費用が高くなるケースも少なくありません。
天候不順、人件費の上昇、材料費の値上げなど、予測できない要素で費用が増加することがあります。
延期とその影響
建築が遅れると、その期間中の住居費やローンの利息など、間接的ながらも費用がかかります。
これらは当初の予算には計算されていないことが多く、出費が膨らむ一因となります。
以上のような点を考慮すると、「価格を抑えられる」と思っていた注文住宅も、実際には予算を大幅にオーバーする可能性が高いです。
このようなリスクをしっかりと考慮し、費用面での計画をたてることが重要です。
現物が見られない!理想と現実のギャップが広がる
「現物を見て買えない」というのは、注文住宅でよく耳にする後悔ポイントです。
建売住宅とは違い、注文住宅は最初に見学する家がないため、全ては設計図や模型、コンピュータ上のシミュレーションに依存します。
この点が、以下のような問題を引き起こす可能性があります。
空間感の違い
コンピュータ上で見る家や設計図は、実際にその場に立って感じる空間感とは大きく異なる場合があります。
例えば、部屋の広さや天井の高さが予想よりも狭かった、または逆に広すぎたと感じることが多々あります。
色や質感の違い
設計図やコンピュータ上では、実際の色や質感とは異なる場合があります。
実際に出来上がった家でその違いに気づいたときには、修正は大変です。
照明と陰影
照明計画が理想と異なっていた場合、家の印象は大きく変わります。
特に、自然光の入り方や夜間の照明の仕方などは、現物を見ないと確認できない要素です。
家具や家電の配置
実際に家具や家電を置いてみないとわからない問題点も多いです。
例えば、コンセントの位置が不便だった、収納スペースが足りなかった、など。
施工の品質
最後に、施工の品質も現物を見て初めて確認できます。
たとえば、壁の仕上げやフローリングの継ぎ目、窓の取り付け具合など、細かい点で後悔することがあります。
このような要因から、「現物を見て買えない」という特性は、注文住宅で後悔する大きな要素となり得ます。
建売住宅では、実際に完成した家を見て、触れて、感じることができるので、このようなギャップが少ないです。
注文住宅を選ぶ場合は、以上のような点を十分に考慮し、リスクヘッジをする工夫が必要です。
土地の選択に制限が多い!「便利な場所には建てられなかった…」
注文住宅を建てる際、土地の選び方も非常に重要ですが、ここにも多くの制限が存在します。
特に、「土地の利便性が良くない」と感じる人は少なくありません。
以下、その理由として考えられるポイントをいくつか挙げてみましょう。
好立地は高価
都市部や駅近くなど、便利な場所に土地を購入する場合、その価格は高くなる傾向があります。
このような場所で注文住宅を建てようとすると、土地代だけで予算がかなり取られてしまい、建物自体に投資できる額が限られてしまいます。
土地の形状や法的制限
好立地でも、土地の形状が不規則であったり、法的な制限(例:高さ制限、容積率など)がある場合、理想の家を建てられないケースがあります。
土地探しに時間がかかる
選択肢が多い分、注文住宅の場合は土地探しに時間がかかることが一般的です。
その間に良い土地が他の人に買われてしまう可能性もあります。
土地の利便性に関する以上のような問題は、建売住宅の場合は大抵のケースで事前にクリアされています。そのため、土地選びで失敗するリスクは建売住宅よりも注文住宅で高くなる可能性があります。
この点を考慮しながら、土地を選ぶ際の慎重な計画と調査が必要です。
入居までの時間が長い
注文住宅の場合、建築完了までには非常に時間がかかることが多いです。
この「入居まで時間が掛かる」という問題は、いくつかの点で後悔の原因となり得ます。
一時的な住居の必要
注文住宅が完成するまでの間、一時的な住居が必要となります。これがアパートや賃貸などであれば、その分の費用が別途発生します。
この期間中の住居費用は、計画初めには予見しきれないものが多く、費用が思いのほかかかる場合があります。
ローンの支払い
土地を購入した後、建築が始まるまでの間、または建築中も土地ローンの支払いが発生するケースが多いです。
この期間が長くなればなるほど、その負担も大きくなります。
生活の不便
一時的な住居と現在建築中の家の場所が離れていると、通勤や通学に影響が出る可能性があります。
また、一時的な住居は手狭であったり、設備が不完全であったりすることも多く、生活品質が下がる場合があります。
精神的ストレス
注文住宅が完成するまでの過程は、多くの決断と調整が必要です。そのすべてが時間とエネルギーを要するため、精神的にも疲れることが多いです。
特に、建築中に問題が発生した場合、解決までに時間がかかることもあり、ストレスが溜まることが少なくありません。
変化する環境
建築が始まってから完成するまでの期間に、近隣の環境が変わる可能性もあります。
新しい商業施設ができたり、交通状況が悪化したりすると、入居後の生活に影響が出ることもあります。
以上のような理由で、注文住宅の場合、「入居まで時間が掛かる」という点はしっかりと計画し、予備の時間や費用を見込んでおく必要があります。
建売住宅の場合、即入居可能な物件も多いので、このような待ち時間やその間のコストはほとんどかかりません。この点も、注文住宅と建売住宅の選択を検討する際の重要な要素となります。
こんな人は建売住宅が向いている!特徴を紹介
注文住宅と建売住宅、どちらが良いかは一概には言えませんが、個々のライフスタイルやニーズによって、建売住宅が特に適している場合があります。
以下に、建売住宅が特に向いていると言える人の特徴をいくつか紹介します。
1. 早く引っ越したい人
建売住宅は即入居可能な物件が多いです。
新婚で早く新居に移りたい、転職や転校で急に住まいを探さなければならない場合、建売住宅は非常に有利です。
2. 予算が限られている人
建売住宅は、土地と建物のセット価格となっており、多くの場合で注文住宅よりも費用が抑えられます。
初めての家購入で予算が限られている人には特におすすめです。
3. 自分でデザインする自信がない人
注文住宅の場合、間取りやデザインを自分で決める必要がありますが、それが逆にプレッシャーと感じる人もいます。
建売住宅はプロが設計し、一般的なニーズを考慮した家が多いため、デザインに自信がない人には向いています。
4. 土地選びに時間をかけたくない人
建売住宅は、土地と建物がセットで販売されています。
そのため、土地選びで多くの時間をかけることなく、スムーズに購入プロセスを進められます。
5. シンプルな生活を望む人
注文住宅は、特別な機能や特殊なデザインを取り入れることが可能ですが、それが必ずしも必要でない、シンプルな生活を望む人には、建売住宅の方が無駄がなく適しています。
以上のような特徴を持つ人は、注文住宅よりも建売住宅が適している可能性が高いでしょう。
どちらを選ぶかは大きな決断ですので、自分のライフスタイルやニーズに合った選択をしてください。
住宅展示場で理想と現実を知ることも大切
住宅を購入する際、多くの人が抱くのが「理想の住まい」です。
しかしこの理想と現実には、しばしばギャップが存在するもの。そのギャップを早い段階で理解する一つの方法が、住宅展示場を訪れることです。
理想の住まいのイメージを具現化
住宅展示場には多くのモデルハウスが展示されています。
これらは様々な間取り、デザイン、装備が施された家で、自分が求める「理想」が実際にどのような形になるのかを具体的に知ることができます。
予算とのバランスを知る
もちろん、展示されているモデルハウスは多くの場合、高品質な材料や最新の設備が用いられています。そのため、価格もそれなりに高い場合が多いです。
しかし、その点を理解することで、自分の予算と「理想」がどれほど妥協しなければならないのか、現実的な視点で考える機会になります。
空間の感じ方を体験
写真や図面ではわかりづらい、実際にその空間でどのように感じるか、という点も重要です。
特に、家族全員で訪れることで、それぞれがどのようにその空間を感じるのかを共有でき、後でトラブルになるようなことを未然に防ぐことができます。
疑問や要望を直接尋ねるチャンス
住宅展示場には専門のスタッフも常駐しています。この機会に、自分が持っている疑問点や特別な要望などを直接尋ねることができます。
これが後の家造りで非常に役立つ情報となることも多いです。
まとめ
注文住宅は自分だけの夢の家を建てられる可能性がありますが、多くの落とし穴が伴います。
マイホームを購入する方は、これらの点をよく考慮した上で、注文住宅を選ぶかどうか慎重に決めましょう。
建売住宅も十分に魅力的な選択肢となる場合が多いです。
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